■ゴースト バスター■

2.神々の悪戯のこと





ゆっくりと扉を開けたルーベット。

するとそこに居たのはなんと、でっかいドラゴンだったのだ。



「ラスボスにドラゴンとは、最後の最後で気が効いてるじゃない。」
ドラゴンを見たルーベットは、たちまち元気になってにんまりと笑う。

するとドラゴンは、こちらを睨んで話しかけてきやがった。



『…よくぞここまで辿り着けたな…。』



充分に重みを含んだその声、普通の冒険者ならそれだけで居竦んでしまうのだろう。
しかし俺達は相当の修羅場をくぐっているだけあってそんな事はない。

それどころかその言葉を聞いた瞬間、俺は思わず怒鳴り散らしていた。




「バッキャロー!!何がよくぞここまでだ!!あんな間抜けなトラップばっかり仕掛けやがって!!」

あんなんじゃ誰だって辿り着けるに決まってるだろうが、それを仰々しく語りやがって!!
俺の怒りは叫んだ勢いもあって頂点に達した。

そしてドラゴンを睨みつけたまま、高らかに叫ぶ。



「覚悟しやがれこのヘボドラゴン!!魔剣よ、来い!!」






俺の叫びを皮切りに、戦闘が始まった。

俺は力強く地を蹴り、ドラゴンに向かって行く。
ドラゴンが負け時と、俺に向かって炎を吐いてきた。

「甘ぁい!!」

俺はそれを魔剣の炎で受けると、そのまま奴の喉元をめがけて切りかかる。
そんな俺に向かって奴の尻尾が振り下ろされた。

「っく…。」
俺は引くか突っ込むか、一瞬判断に戸惑う。
その時、1本の矢が俺に向かってくる尻尾に深々と突き刺さった。

「援護するわ!!迷わず突っ込みなさい!!!!」

ルーベットだ。このお転婆は戦闘となると途端元気になる。
まぁ、こういう時は頼りにもなるんだがな。



俺はそのままの勢いで、真っ直ぐにドラゴンに突っ込んで行く。
「もらったぁ!!」

そして奴の喉元を切り裂く!!



ゴイィィィイイイン!!!!!










「…………あ?」

俺が切り裂く前に、奴の頭の上にタライが落ちた。





しかもドラゴンはそのままのびてしまう。

「どういうことだよ…?」
「……どうやら、この部屋にもトラップが仕掛けてあったみたいですね。」

今までかくれて様子を見ていた女が、ゆっくりと出てきて、口を開いた。
自分で作った罠に自分で引っ掛かったと?

いや、なんて間抜けな奴なんだよ。




あまりの結末に呆然とする俺とルーベットを尻目に、依頼してきた女は大いに喜ぶ。

「ああ、ありがとうございます!!これで魔物は滅んだんですね!!」

「ぁ…いや、うん。私達は特になにもしてないんだけどね?」
感極まったようにルーベットの手を取る女に、困ったように応えるルーベット。

しかしその女は感動のあまり聞いちゃいない。
ルーベットは俺に視線を向けてくるが、俺も小さく肩を竦めるくらいしかリアクションのしようがない。

そして次に俺の手を取ると言った。
「本当にありがとうございます!!さぁ、報酬をどうぞ!!奥の扉です!!」










っは!!そうか!!報酬をもらうって話だったな。



いけねえいけねえ、あんまりの間抜けさに、思わず意識が飛びかけてたぜ。

しかしよく考えても見れば、こんなおいしい話もねぇ。
なんてったって、ろくになにもせずに城のお宝がもらえるんだからな。

「えぇ〜なんか納得いかないわよ。」
「ふっふっふ。残念だったなルーベット。今回はついてなかったんだよ。」

ろくに楽しい戦いもなかったので、ルーベットは不服顔だ。
まあ、たまには俺だけおいしい思いをするのもいいだろう。






俺様は胸を張ってずかずかと扉の前に行く。

「よーし!!お宝とご対面だぁ!!」

意気揚揚と扉を開ける俺、ゆっくり開かれた扉の中には!!




「おおおおお!!」
豪勢な机の上に、料理がずらりと並んでいる!!








…………料理?

待て、なんで料理がここにあるんだ?
宝物庫じゃないのかここは?
そもそも魔物の住んでた城になんで料理が用意されてるんだ?!

「さぁどうぞ!!お入り下さい!!」
「おい、ちょっと待てこら!!」
俺がワケのわからないままその女に押されて部屋に入った瞬間。





「おめでとー!!」



パンパンパン!!!!



当然鳴り響いた音はクラッカー音、それから見知った顔が現れる。
そこにいたのは、プリンスに一休、ペガサスにナーニャにその他色々………。

「…ちょっと待て!!こいつはどういう……げげっ!!」
慌てて振り向いて、案内してきた女を見ると、そこにはもうその女はいなかった。
代わりにいたのは、あの雑巾ババァだったんだよ!!


「うがぁ―――――!!また騙されたぁ―――――!!!!」






バカバカバカ!!俺のバカ!!

よく考えたらあの女、俺の苦難の始まりの原点とも言える、バーサンが化けてたあのモラ・イーミズそっ くりだったんじゃねえか!!
どうして気付かなかったんだ!!




「……ねぇ、どう言う事?」

ルーベットも困惑したように、おずおずとババアに聞いた。
するとその後ろから頭にたんこぶを作ったジンが出てきて(どうやらあのドラゴンはジンだったらしい) 応える。
「若様の案なんですよ。ゴクドーさんとルーベットさんもこのパーティに招こうって。」

「パーティ?」
まだ頭にハテナマークを浮かべているルーベットに(俺もそうだが)、プリンスが進み出てやわらかい笑みを浮かべた。



「そう、ハロウィンパーティだよ、ルーベットちゃん。」



ハロウィンだぁ?



ハロウィンって言ったら化物だのに仮装してカボチャにろうそく立てるあれだろ?
まあ、こいつ等は元々人間じゃねぇから、仮装の必要は無いのかもしんねぇけどよ。

「ちなみに、せっかくだからハロウィンらしく趣向を凝らしてだな…。」
「おいおいちょっと待て!!なんで罠とか仕掛けてある所に招く必要があるんだよ!!」

パーティとか言う名の罠だらけの城に招待された俺は、納得がいかなくて口をはさむ。
するとプリンスは、楽しそうに笑って応えた。

「なんだよ、知らないのか?ハロウィンには“トラップ オア トリート”っていう…」



「それを言うなら”トリック オア トリート”だ!!バカヤロー!!!!」





なんてヤツだ!!ハロウィンのフレーズを間違えるなんて!!
必ずいつもどっか抜けてるんだよ!!プリンスは!!



「あれ?そうだったっけ?」
「そうだ!!」
憤慨する俺に対し、プリンスは相変わらずの飄々とした様子。

「…はは、まぁいいじゃねぇか、騙されたのも事実だろ?」
「うぐぐ…。」



確かにバーサンには物凄い騙されたが…っそうだ!!

騙されたと言えば、お宝はどうなったんだ!!
ハロウィンならトリックの他にトリートを用意してくれててもいいはずだ!!

「おいババア!!お宝まで嘘だったんじゃねえだろうな!!」
俺がそう詰め寄ると、ババアはニヤリと笑ってから答えた。



「何を言うとる。そこにあるではないか。」

と言って指差したのは机一杯のカボチャ料理。
俺は言うまでもなく嫌な予感がしてきた

「……まさか、このカボチャが宝とか言うつもりじゃあ…。」

「たわけ、このパーティこそが宝じゃ。ほっほっほっほ。」
「そうよぉゴクドーくん、最高じゃない。みんなからのもてなしよ?」
自分の答えに満足したかのように高笑いをあげるババア。
すっかり溶けこんだルーベットも、満足そうに同意している。



「久しぶりにみんなに会えて、あんた嬉しくないの?」
「嬉しいわけあるかぁ!!俺は実物主義なんだよ!!友情なんかどーでもいいんだ!!」
なおも吼えている俺に、ルーベットは冷ややかな、それでいてどこか楽しそうな笑みを浮かべる。



「しっつこいわねえ。諦めなさいよゴクドーくん。今回はついてなかったのよ。」
「お前はそれでいいかもしんねェがな!!おれは罠にもかかりまくったんだぞ!!」
「ええ、ゴクドーさん、あれ全部にかかったんですか?!」
「そうだよ!!そのくせルーベットはひとつも…おい、お前らまさかグルだったんじゃ…」
「そんなわけないでしょ。大体ゴクドーくんの指示で動いたじゃない私は。」
「じゃあなんで俺だけかかってんだよ!!」
「なんだ、そんなん決まってるだろ?ゴクドー。」

それまで思い思いに口を開いていた奴らが、プリンスのその言葉にいっせいにこっちを向くと、声をそろえて言ってきた。





「単に、お前がついてなかっただけのことだよ。」










「………………ちくしょー!!!!」

どこに怒りをぶつけていいかわからない俺は、思わず料理のテーブルに突っ込んでぶちまける。

「あーあ、せっかく用意したのにめちゃくちゃにしやがって。」
さして残念でもなさそうにプリンスが言う。
「でも、ゴクドーさんらしいじゃないですか。」
「そうよ、私達でパーティやったら、結局はどんちゃん騒ぎになるんだもの。」
「…………ま、そうだよな。」

てきとーに勝手なことを言って笑う奴らをよそに、俺は近くに転がっていた酒瓶を手に取った。


「うるせー!!やってられっかー!!!!」
そして一気にその酒を飲み干したのだった。








その後、乱闘が始まったのは言うまでもない。






★ HAPPY HELLOWEEN★

ゴースト バスター、実はハロウィンネタ。
ハロウィンは大好きなんで…書いて見ました。季節物はやっぱ楽しいですね。
しかし初ゴクドーがこれでいいのか…?
次回からは一人称やめようかな…?難しくってならんですよ。







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