■ゴースト バスター■

1.幽霊城に向かう俺達のこと




「お願いです!!助けて下さい!!」
そう言って俺にしがみ付いてきたのは、見た所17、8歳の美女だった。



「……あぁ?」

しかし俺はいたって素っ気無い返事を返す。
それもそのはず、なんてったって今まで散々女には痛い目を見せられている、美女と関わってロクな事はなかったからな。
俺にも学習能力ってモンがあるのだから、いい加減わかってきた所なんだよ。
ここは慎重に会話を進めなければ、またいらんことに巻き込まれるかもしれない。



しかしそんな俺の心配をよそに、ルーベットは能天気に口を挟んでくる。
「何々?どうしたの?なんの話?」

こいつは何かとあると首を突っ込みたがる…。
口では心配だとか可哀相だとか言っているが、実際は自分が楽しむためにひき受けているに違いな い。
なんてったってこいつは戦闘快楽主義者だからな、うん。



なんて俺が考えている間に、この美女とルーベットの間に話がついてしまったらしい。

「ねぇゴクドーくん。この人、自分のお城が魔物にのっとられちゃって困ってるんですって。助けてあげ ましょうよ。」

「俺はヤだね、一人で行って来い。」
案の定、引き受ける気満々のルーベットに、あくまで俺は否定する。
大体見かえりも求めずにひき受けるバカがどこに居るって……。

……………。


「…っておい!!ちょっと待て!!今なんて言った!!」



「え?だから助けてあげましょうよって…。」
「違う!!その前!!どこがのっとられたって?!」
「彼女の城ですって。」


城だぁ〜?!
この女、城の保持者ってことは王女かなんかか?!
いや、とにかくこうとなったら話は別だ!!

「でもゴクドーくんには関係ないでしょ?ひきうけないんだから。」
「ちょっと待て!!」
俺は慌てて立ち上がりかけたルーベットをひきとめる。

「おいネェちゃん、アンタ、報酬はあるんだろうな?!」
そう、大事なのはそれだ、王女となったら金だの宝石だのを一杯持っているはずだ。
そいつを報酬として奪い取らないわけはない!!

「ゴクドーくん、アンタはどうしていつもそうやって…。」
ルーベットは呆れたように呟いていたが、特に止める事はない。
あたり前だ、俺の行動をとめる権利など誰にも無いんだからな。



するとその女は待ってましたとばかりににっこり笑って言った。
「はい、魔物にのっとられてしまった城の、一番奥の部屋に宝を保管している場所があって…。」

「よし!!それをよこせ!!なら助けてやる!!」
そうとう自慢気に話す女に、俺は詰め寄った。
すると女は、ぱあっと顔を輝かせると、俺の手を掴む。
「ありがとうございます!!魔物を倒して城を取り返したあかつきには是非!!」

よし来た!!これはビンゴだ!!
こんな簡単に返事をするという事は、相当な金持ちに違いない!!

「商談成立だ!!早速行くぞ!!」

俺はその女と呆れ顔のルーベットを連れて、早速その魔物の住みついたという城へ向かうのだった。





*  *  *





ところが、問題のその城に着いたとき、俺はそのボロさに呆然とその城とやらを見上げてしまう。
「これは…なんて言うか…。」
さすがのルーベットもこれには声が出ずにいる。

それほどまでにその城は荒れ果てていて、まるで廃城のようだったのだ。

「幽霊屋敷みたいだわ。」

まさにその表現がぴったりの、幽霊城以外の何物でもない。



本当にこんな所にお宝があるのかぁ?
するとそんな俺の心情を察したかのように、女が声をかけてくる。
「2、3日前は綺麗だったのです。しかし魔物が住み着いた途端こんな風になってしまって…。」
それから、たちまち顔をおおって泣き出した。



…しかし間近で見ると本当に美人な女だ。
どっかで見た事があるような気もするんだが…あんまり長く生きているんで、どこで見たのか忘れちま ったな……。




と、それはさておき、俺はそのお宝目指してその城へと入りこんだのだった。





「うっわぁ〜、いかにもなんか出そうって感じねぇ。」

戦闘マニア、怪物よドンと来いのルーベットは、そう言いながら目を輝かせている。
入って豪華な(とはいえここも寂れていたが)ホールを抜けると、すぐに階段が見つかる。

「魔物はこの上の、西塔の頂上にいます。」
女はそう言って、階段を指差した。

「よし!!とっとと怪物倒してお宝ゲットだ!!」
「あ!!ちょっと待ちなさいよ!!」
意気揚揚として階段をのぼリ始めた俺に続いて、ルーベットも階段を登ろうとした時、俺はとんでもない 事態に見まわれた。





ばたたたたたたん!!!!





そんな音がしたかと思うと、なんと俺のいた階段の段差が一気になくなって、まるで滑り台のように平ら になったのだ。

「うぎゃあぁぁぁ?!」



一応しばらく粘ったのだが、それもむなしく、当然登っている途中だった俺はそこから滑り落ちる。
しかもその元階段が妙につるつるしているものだから(ワックスでも塗っているようだった)、ずいぶん と派手に転がり落ちた。

「……いってぇ……。」

「大丈夫ゴクドーくん?あんた欲に目がくらんでるからこうなるのよ。」
さして心配もしていなさそうなルーベットが上から覗きこんでくる。

まあ、無様に転がり落ちただけだし、そんな心配する事でもないが、俺は無償に腹が立った。
「うるせぇ!!大体なんで俺だけなんだよ!!」
「さぁ?やっぱり日頃の行いでしょう?」



……ルーベットの奴言いたい放題言いやがって…。

「でも、よかったじゃないですか、ここにあったトラップがこんなので。」
そう穏かに言ってきたのはあの女。

まあ、確かにな、まさかトラップが仕掛けられているとは思わなかったが、これで用心する事ができる。
最初に掛かったのがこんなちゃちなもので良かったといえばそうだろう。



…だが納得がいかん!!こんな間抜けな罠に、しかも俺だけがかかるなんぞ!!



俺はこれを作ったこの城の魔物とやらに対する怒りがふつふつと湧き上がって来た。
「待ってろこのくそったれ〜!!」
そう叫びながら、俺は急な坂を駆け登るのだった。





「あ!!ちょっとゴクドーくん!!ちょっと待って!!!!」



「んあ?」
坂を登りきったあたりで、ルーベットが声をかけてきたので、俺はなんとなく振り返った。

その時。






ゴオオォォオオ〜ン!!!!





「…いっっでえぇえぇぇぇ!!!!!」

「上からタライが……。」

俺の頭に、今度はでっけえ金ダライがおちて来た。



「……っておいこらテメェ!!気付いてたんなら止めんじゃねえよ!!」
「いやなんか、危ないなあ…って思ったから、つい。」

ついだと!!その“つい”でルーベットが止めさえしなけりゃ俺は今ごろタライの直撃をくらうこともなか ったんだぞ!!

「っていうかなんだここは!!こんな間抜けなトラップばっかり仕掛けやがって!!」
「でもその間抜けなのに引っ掛かってるのはゴクドーくんよね。」
「うるせぇ!!とにかく進むぞ!!」

なんだかもう何に腹が立っているのかわからなくなってきたが、とにかく俺はお宝と、目指して進むのだっ た。






…………しかしなんていうか、その先に会ったのもしょぼいトラップばっかりだったんだよ。
落とし穴に落ちたらその上から熱湯が注がれるとか、床に糸が張ってあって脚を引っ掛けて転ばせると か、小麦粉が大量に降ってくるとか、水をかけられるとか、なんとかなんとか…。



なんでそんな事知ってるかって、そんなん全部引っ掛かったからに決まってるだろ、ちくしょー!!

そのくせルーベットは全然かかんねえし!
あんまり掛かるんでルーベットを先に行かせても、今度は何故か後ろから罠が向かってくる。
しまいにはひょっとしてこいつ魔物とグルなんじゃない事かさえ考え出す始末。




とにもかくにも、なんとか俺達は最上階へと到着した。
その時はもう俺は、罠にかかりまくってぼろぼろだったわけだがよっ!!




「ここが……魔物の居る部屋ね…。」

重々しい口調でルーベットは呟く。
俺はトラップで苛立っていたが、ルーベットも変な罠以外は一匹も魔物が出てこなかったのでかなり苛立っているようだった。

イやもう本当、今にも扉をぶち壊しそうな気迫だ。

ああ、もうその勢いでとっとと魔物を倒してくれ。俺はもうトラップづけでヘトヘトなんだよ。

そして、ルーベットは慎重にその両開きの扉を開けた。





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初ゴクドー小説!!しかも長くなっちゃったので続き物!!
ゴクドーくんの1人称で書いたんですけど…難しいです。
普段ナレーション小説書いてるからなあ……。
しかも結構はしょってます(苦笑)。

とりあえず第2話へとお進み下さい……。






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